雇われイラストレーターの奮闘日記

中小企業所属イラストレーター、10年目に突入!イラストを描く仕事に就きたい方、転職したい方に少しでも参考になる情報を発信していきたいと思います☆

「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」が教えてくれること

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参照元:2013年度 新聞広告クリエーティブコンテスト

https://www.pressnet.or.jp/adarc/adc/2013.html

 

もう6年前になりますが、記憶に残っている方も多いかもしれません。

こちらの広告は、2013年に日本新聞協会広告委員会が実施した「新聞広告クリエーティブコンテスト」で最優秀賞を受賞した作品です。

 

桃太郎に父親を殺された鬼の子どもを描き、「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」のコピー。

下には小さく、「一方的な『めでたし、めでたし』を、生まないために。広げよう、あなたがみている世界。」とあります。

 

少し前に、こちらの広告を見る機会があり、改めて振り返ってみたいと思います。 

 

「反対の立場に立ってみたら」の衝撃

急に違和感を覚えた「めでたし、めでたし」

この広告を初めて目にしたときの衝撃は今でもよく覚えています。泣いている鬼の子どものイラストにまず目がいき、中央のコピーを読んで、とてもショックを受けました。

 

「桃太郎」のお話は、小さい頃から何度も触れる機会がありましたが、私は、最後の「めでたし、めでたし」に何も違和感を持っていませんでした。

 

「桃太郎に退治された鬼の立場に立って考えたことがない」自分に気づました。

読み手の自分は、桃太郎の視点でのみ物語を読んでいました。

桃太郎が私にとっての「正義」になっていて、その桃太郎の敵である鬼は間違っている倒すべき相手。

 

でも鬼の視点で読むと、鬼には鬼の生活があり、家族があり、鬼の集落をみんなで守っている 。親子間の絆も愛も、もちろんあるはずで。。

 

一方の立場からしか見れていなかった自分が怖くなりました。

反対の立場に立ってみたら・・そう考えると、広告の鬼の子どもの泣いている姿が浮かびました。

その時に、「今、『桃太郎』の絵本を読んだときに、私は『めでたし、めでたし』と言えるのだろうか・・」と思いました。

 

自分が見ている世界は広い?

生きていると、必ず誰かと関わって、繋がって生活しています。

プライベートでは、家族で助け合ったり、友人と励ましあったり。

また、仕事となれば、多くの人と協力して、話し合いをして進めることも多々あります。

 

自分が嬉しいと感じることが、誰かにとってはそうでないかもしれません。

自分が怒りを感じることが、誰かにとっては軽く受け流せることかもしれません。

自分が気楽に感じることで、誰かはプレッシャーで押しつぶされそうになっているかもしれません。

 

「もし相手の立場だったら」

 

さまざまな視点を持って、自分の世界をもっと広げていく必要があると、改めて背筋が伸びる思いがしました。