さて、今回は、「企業で働くイラストレーター」について少しお話ししたいと思います。
あくまで、12年間の仕事を通じて私が感じてきたことが軸になります。
会社の規模によってもイラストレーターの立ち位置はかなり変わってくると思いますので、あくまで参考までに^^;
さて、「企業に属するイラストレーター」とは・・・?
私は「ある自覚」が始まりでした。
「イラストレーター」のスタートは「お金を頂いている」という自覚から
私が今の会社に入社してすぐに先輩にアドバイスいただいたのは、「うちの会社に『芸術家』はいらないよ。」という言葉でした。
大学までずっと自分の好きなイラストを描いてきましたが、それは「仕事で描くイラスト」とは全くの別物。
会社では、お給料を頂いてイラストを描きます。
お金をいただいてイラストを描くということは、作品に対して、自分の満足度だけを追及することが許された今までの感覚から、完全に頭を切り替える必要があります。
仕事でイラスト1点を制作するということは、
自分が制作にかけた時間(人件費)=その1点のイラストの金額
になります。
つまり、その1点のイラストは、どの程度の時間(金額)をかけるのが最適なものか、常に考えて取り組む必要があります。
「自分が制作にかける時間には常に人件費が発生している」
よく考えると当然のことなのですが、私は、その自覚を持つことが、「企業に所属するイラストレーター」のスタートでした。
求められるスキル
続いて、求められるスキルについてザックリとお伝えします。
(挙げ始めるとキリがないので^^;)
・依頼者の要望を汲み取る能力
・スピード
・修正等が発生した時の柔軟な対応力
・提案力
・様々な依頼に応えられる「描く力のベース」
この中で私が最も大切だと感じているのが「依頼者の要望を汲み取る能力」です。
仕事は「依頼してくれる方」がいて、初めて生まれます。
依頼者は、何を求めているのか。ここをしっかり掴むことがたいへん重要です!
【依頼者は、何を求めているのか】
つまり、「何を目的としたイラストなのか」
→例:・見た人を惹きつけるアイキャッチの要素として欲しい。
・文章を読んでほしいので、あくまで主張しすぎず、且つ賑やかしになるものが欲しい。
・商品の金額に納得してもらえる高級感をイラストで出したい。
要望は、仕事によって本当にさまざま。
そのため、依頼者の意図を汲み取ることから仕事がスタートします。
依頼者の意図を汲み取れずに制作したイラストは、それがどんなに可愛いイラストでも、質の高いイラストでも、そんなことは一切関係がありません。
依頼者にとっては全く検討はずれの「使うことの出来ないモノ」。
イラストレーターは、依頼者の要望を満たして、また、期待値以上のイラストを仕上げて、初めて「仕事をした」と言えます。
本当にザックリですが、「企業で働くイラストレーター」について簡単にお話しいたしました。
※「求められるスキル」については、フリーランスの場合でも当てはまることが多いと思います。
今後も、現場で感じる様々なことをお話ししていきたいと思っています。
まずは導入でした^^
それでは、また次回に☆